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採用の真のコスト:雇用主が額面給与以外に支払うもの

求人票には額面給与が記載されていますが、それは雇用主にとっての全コストを表していません。ほとんどの国では、雇用主は合意した額面給与の上に社会保険料を法的に支払う義務があります。これらは年金制度・健康保険・労災・雇用保険に充てられます。シンガポールや香港では約10%、フランスやベルギーでは40%超と国によって大きく異なります。

雇用主負担の社会保険料がカバーする範囲

雇用主側の拠出金は、従業員が給与明細で目にすることのない国の社会保険制度への法定支払いです。通常、老齢年金・労災・健康保険・失業保険をカバーします。ドイツでは雇用主は従業員とほぼ同額を負担し、額面コストが約20%増加します。フランスでは、雇用主負担率が額面の40%を超えることも珍しくありません。

国によっては、訓練基金・住宅拠出・職業訓練などの追加給与税が雇用主に課されます。これらは主制度とは別に計算されますが、雇用総コストの一部を構成します。フランスはこうした二次的な課徴金が主要な拠出金に数ポイント上乗せされる顕著な例です。

国による総コストの違い

同じ80,000ユーロの額面給与でも、国によって雇用主のコストは88,000ユーロから115,000ユーロ超まで異なります。英国では雇用主負担のNational Insurance(約13.8%)により総コストは約91,000ユーロになります。ドイツでは社会保険料がほぼ折半されるため、雇用主コストは約96,000ユーロです。

ベルギーとフランスでは、雇用主負担により同じ額面での総コストが110,000ユーロを大きく超えます。スイスは中間的な水準で、連邦・州の雇用主拠出は穏やかですが、第2の柱(BVG)への年金拠出は従業員の年齢層によって変わり、高齢の従業員ではコストが大幅に増加することがあります。

拠出上限と幹部採用への影響

多くの社会保険制度には上限額があり、それを超えると追加の拠出は不要です。ドイツでは2025年の年金拠出上限は約90,600ユーロで、それを超える所得には年金保険料がかかりません。上限を超えると雇用主の限界コストが大幅に下がります。

上限のない国では雇用主拠出はすべての所得水準に線形に適用されます。上限が低い国では高報酬帯でのコスト負担が軽減されるため、複数市場で経営幹部チームを構築する際の重要な考慮事項となります。

国際的な人員計画への示唆

異なる国での同等採用のコストを比較する際、財務チームは額面給与ではなく雇用総コストを見る必要があります。パリとワルシャワで名目上同じ額面のエンジニアを採用しても、企業への予算インパクトは大きく異なります。

報酬を市場水準とベンチマークする際も、総コスト比較は重要です。アムステルダムで80,000ユーロの額面を提示する企業は、ダブリンで同額を提示する企業より一人あたりのコストが相当高くなります。複数の国と所得水準でこうしたシナリオを同時にモデル化することが、NettoFlowの雇用主コストビューの目的です。